なぜこんなに騒がれる!? ボジョレー・ヌーヴォーとは
人生を変えるワイン学 第31回
◆ボジョレー・ヌーヴォーは高い、おいしくないといわれる理由
一方、ボジョレー・ヌーヴォーは「おいしくない」「高い」「この価格を出すなら違うワインを買う」などの声も聞きます。
そもそも、ボジョレー・ヌーヴォーとは、今年のブドウの出来を知るための試飲用であり、収穫を祝う振る舞い酒のようなもの。
通常ワインを造るのに1年以上はかけますが、ボジョレー・ヌーヴォーの場合9月中旬~末にブドウを収穫して10月末~11月初旬には仕上げるのです。たった1ヶ月ほどでワインを造るのですから複雑味はなく、フレッシュで軽い味わいとなります。
それに、解禁日が決まっていて空輸でないと解禁日に間に合わないため空輸代や関税がかかるので高くなります。
例えば、フランス現地では300~400円ぐらいで売られているボジョレー・ヌーヴォーは日本では、2,000円ぐらいになるのです。
ということは、品質と価格が比例しないように思います。
ひと昔まえでは、ホテルやレストランで午前0時を待ちボジョレー・ヌーヴォー解禁のカウントダウンパーティが開かれていました。最近では、めっきり見かけなくなりましたが・・・。やっとボジョレー・ヌーヴォーの本来の意味が分かってきたのでしょうか?
あるいは、高級なワイングラスや高級ホテルで楽しむというよりは、カジュアルに家飲みやバルで楽しむということが浸透してきたのではないでしょうか? ワイングラスではなくコップに入れて飲むようなカジュアルなワインなのです。
◆ボジョレー・ヌーヴォーのおいしい飲み方
ボジョレー・ヌーヴォーは、1ヶ月ぐらいという短い期間で造られ、熟成向きには造っていないのでなるべく早く飲みましょう。寝かせておく必要はありません。
もぎたて果実のようにフレッシュでタンニンが少ないので、少し冷やして飲むのがオススメです。通常の赤ワインは冷やすと渋みが際立って飲みにくくなってしまう場合がありますが、ボジョレー・ヌーヴォーは渋みが少ないので冷やしてもおいしく飲めるのです。
冷蔵庫で1時間ぐらい冷やすとちょうど飲みごろになります。
◆ペットボトルのボジョレー・ヌーヴォーもアリ!
ここ数年前から、ペットボトル入りのボジョレー・ヌーヴォーを見かけるようになりました。
熟成するために造られていないので、透明なボトルでもかまいませんし、カジュアルなワインなのでペットボトルでも問題はありません。むしろ、ボトルよりペットボトルの方が、空輸代や関税、コストが下げられるので低価格で楽しめます。本来は、ペットボトルの方がいいのかもしれませんね。